2010年8月23日月曜日

書籍『Self-Reference ENGINE』(文庫版)

『Self-Reference ENGINE』(文庫版)


最初の感想は、
「やっと、読み終えた。」そういう本。
初めての読書体験という意味ではすごくおすすめだけど、
難解というか、文意自体はつかめるんだけど、
そこから生まれるイメージをつかめるかつかめないかで
全く意味がわからないか、
全く未体験な世界に出会えるか、が別れる本なんじゃないかなぁと。
僕は7割方後者といったところ。

まず、それぞれ10の短編からなる2つの章で構成されるこの本は、
全体として1つの世界観の中にある物語で、
少しずつ互いに繋がりを持ってはいるけれど、
全く別々のショートストーリの集合でもある。
ので、ただの短編集ではないけれど、
普通の長編でもない、節編(というようなイメージ?)の本。

あることがきっかけ(というかそのあること自体若干理解があやふや 笑)で
時空が砕けた世界の話。
この設定だけで既に、「???」が頭にふわっとしてくるわけで。
たとえばタイムスリップが普通に行われたり、
未来方向から過去方向に向けて戦闘機が舵をきったり、
自然と一体化することで最速を手にした計算機が出てきたり、
祖母の家の床下から複数人のフロイトが出てきたり。

そう、とにかくまず心を開いて・・・

まず、床から1センチほど浮いてみましょう・・・

そういう状態で読んでいかないとまずこの舟には乗れないのです。

でも乗れたらしめたもの。
あとはもう縦横無人に時間軸もおかまいなく、
著者とこの世界を駆け回っていける。
なんとなくロードムービー感を持って読みすすみました。

でもまぁ某かの筋肉が必要な読書だったのは確かで。
そのせいで、第一声はやっぱり「やっと、読み終えた。」なのでした。

おすすめです!

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